ベンメリア遺跡はラピュタのモデル?カンボジアの密林に眠る巨大遺跡

シェムリアップといえばアンコール・ワットが有名ですが、そこから東へ50kmの密林の中に「ベンメリア」という巨大な寺院遺跡が存在します。

この遺跡は崩壊がかなり進んでおり、崩壊している遺跡とそれをのみこむ自然の組み合わせがなんとも美しい風景を作り出しているんです。

その姿が”天空の城ラピュタ”に似ていることから、日本人の間ではラピュタのモデルになった場所とも言われているんですよね。

ベンメリアの場所

ベンメリアはアンコール・ワットから直線距離で50kmの位置にあり、シェムリアップ市内から車で約1時間半、トゥクトゥクで約1時間半~2時間ほどかかります。

市内からは距離もかなりあるため、オプショナルツアーやチャーターを利用していく方がほとんど。

基本的に舗装されている道を通ると思いますが、トゥクトゥクを利用する際は砂埃対策としてマスクやサングラスを持っていきましょう。

▼ベンメリア遺跡のチケットブース▼

遺跡の入場料は5ドルとなっており、アンコール遺跡群のチケットでは入場できません

チケットブースは遺跡から少し離れた場所にあるので、バイクなどを個人でレンタルして向かう方は通り過ぎてしまわないように注意してください。

ベンメリアの歴史

ベンメリアが建立されたのは、アンコール・ワットが建てられる前の11世紀末~12世紀初めごろとされています。

ベンメリアには”花束の池”という意味があり、アンコール・ワットと似ている点が多いことから「東のアンコール」と呼ばれているそう。

ガイドブックなどによく掲載されている上からの遺跡図をみると、第一回廊~第三回廊まである点や伽藍配置などが2つの遺跡に共通していることがよく分かります。そういった点を考えると、アンコール・ワットがベンメリアを参考に建立されたという説は本当なのかもしれません。

遺跡見学できるようになったのは2006年頃のことで、それまでは足場がないほど遺跡が崩壊していたり、地雷も沢山埋められていたことからとても観光できる状態ではありませんでした。

現在では崩壊が激しい場所には足場が組まれていたり、遺跡内の地雷も撤去されています。

西参道を通り遺跡の入り口へ

ほとんどの観光客は、西参道か南参道を通り遺跡へと向かいます。

おそらく、ツアーやチャーターは大きな駐車場や食堂がある南参道を利用することが多いかと。また、遺跡内に組まれている木製足場の入り口も南参道から入った方が近いです。

崩壊しているナーガの石像。

通常この奥に西門があるのですが、崩壊してここから先は入れないようになっています。

遺跡内へ入る通路は南門近くにあるので、ここから外壁に沿って南門へと向かいます。

西門はこのように崩壊してしまっています。

第三回廊の外壁も崩壊し、石材の山となってしまっていますね。

南門に到着しました。石材の山によって、門であったのかすら分からなくなってしまっています。

第三回廊の南側外壁も崩れてしまっていました。

崩壊した遺跡に作られた木の歩道

崩壊した遺跡内には木の歩道が作られており、基本的にはこの歩道に沿って進んでいきます。遺跡の崩壊が激しいため仕方のないことですが、くまなく遺跡探索できないのは少し残念。

午前中はツアーなどで混雑するそうなので、ゆっくり写真を撮りたい方は午後からの訪問がおすすめ(ハイシーズン中は1日中混雑していると思います)。

歩道は一方通行となっているようで、入り口は南参道の突き当りを右に進むと見えてきます。歩道の幅が意外と狭いため、混雑している時などは大変そうです。

歩道に入ってすぐ左手にインドラ神のレリーフがありました。

右手には、経典や仏教に関する書物を収蔵する建物である経蔵があります。

初めでも書きましたが、ベンメリア遺跡は日本人の間で「天空の城ラピュタ」のモデルになった場所と言われています。しかし、実際にモデルとなったのは別の場所で、スタジオジブリが唯一モデルにしたと公表したのはイギリス南西部に位置する「ウェールズ地方」です。

ラピュタ公開時にはベンメリアの一般開放はされていなかったことからも、モデルとなった場所ではないということが分かります。

ただ、実際に訪れてみると「崩壊している遺跡×自然」という組み合わせが本当にラピュタの世界っぽく見えてしまうんですよね(笑)

遺跡中心部の崩壊もかなり激しい

遺跡中心部へと到着しました。

苔のついた石材が多いせいか、遺跡中心部はラピュタ感がさらに増したような気がします(笑)

阿修羅と神々が綱引きをする乳海攪拌(にゅうかいかくはん)が描かれています。崩壊している石材の中から、こういったレリーフを探すのも楽しいですよ!

中央祠堂があるはずの場所は石材の山となっていたことから、中央祠堂も全て崩壊してしまったようですね。

上からしか光が入ってこない謎の部屋

遺跡中心部を後にし第二回廊の北側に歩みを進めると、部屋の上部からしか光が差し込まないように作られた謎の部屋にたどり着きます。

ただの暗い部屋として通り過ぎてしまう方が多いように思いますが、よく考えてみればこの部屋だけこのような作りにしているのはかなり不自然。

会議などに使われていた部屋だという説があるそうですが、「なぜこんな部屋を作ったのか」や「どんな時に利用していたのか」などの詳しいことは分かっていないそうです。

暗い部屋を抜けると広場へと出ます。

ここにも経蔵がありました。

さいごに

ベンメリアでは遺跡の崩壊がかなり進んでいるため、崩壊している建物が一体どんなものだったのかや、石に描かれたレリーフを見つけにくかったりします。

日本語ガイドを依頼することで、遺跡の詳しい説明を聞きながらまわれることからとても勉強になります!しかし、ベン・メリア遺跡内をガイドなしでまわっていると公式ガイドではない方たちから声をかけられることがよくあります。

公式ガイドよりも料金が安かったりするのですが、遺跡に関して適当な説明をしていたり、トラブルに繋がることも多いので、こうした非公式なガイドを雇うのは避けてください。

日本語ガイドを雇う際には、口コミを確認できるオプショナルツアーを専門に扱った「VELTRA(ベルトラ)」での予約がおすすめです!

1日に3つほど遺跡をまわるオプショナルツアーやチャーターもあるため、人気のある遺跡を1日でまわりたいという方にも向いています。