カンボジアのシェムリアップにあるアンコール遺跡群の1つである「タ・プローム遺跡」。神秘的な雰囲気を持っていることから、シェムリアップで人気の高い遺跡となっています。
今回は、以下のような悩みを解決できる記事を用意しました。
- タプロームってどんな遺跡?
- タプローム遺跡への行き方は?
- タプローム遺跡を見学する前に知っておくべきことは?
この記事を読めば、タ・プローム遺跡の基本情報や遺跡内の雰囲気を知ることができますよ。
実際に観光した経験をもとに情報をシェアしていくので、「タ・プローム遺跡を観光する前にいろいろと知っておきたい」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
カンボジアのタ・プロームってどんな遺跡?
遺跡名 | タ・プローム遺跡 |
---|---|
創建 | 1186年 |
創健者 | ジャヤヴァルマン7世 |
建築の特徴 | 平地型のバイヨン様式 |
信仰 | 仏教→ヒンドゥー教 |
まずは、タ・プロームがどういった遺跡なのかを簡単に解説していきますね。
その①:世界遺産アンコール遺跡群のうちの1つ
タ・プローム遺跡は、世界遺産として登録されている「アンコール遺跡群」のうちの1つです。
アンコール遺跡群とは、9〜15世紀にかけて築かれたクメール人の巨大な王国「アンコール朝」の遺跡群のことで、大小あわせると600以上もの遺跡があるとされています。
遺跡ごとに世界遺産登録されているわけではなく、約400平方キロメートル(東京ディズニーリゾート約200個分の広さ)という広大な敷地が世界遺産として登録されているため、世界遺産として維持するのがとても大変なことが分かりますね。
アンコール遺跡群=アンコール・ワット、アンコール・トム、タ・プローム、プノン・バケン、ベン・メリア、バンテアイ・スレイ、他にも多数。
その②:1186年にジャヤヴァルマン7世により創建
1186年に、ジャヤヴァルマン7世が亡き母のために創建したタ・プローム寺院。
初めは仏教寺院として創建されましたが、後にヒンドゥー教寺院に改宗されてしまったため、仏教色の強い壁面のレリーフが削り取られていたりします。
また、広大な敷地内には三重の回廊があり、広い間隔の取られている第一回廊と第二回廊の間に多くの建造物が建てられています。
タ・プローム遺跡で特に注目したいのが、成長しすぎたスポアンの木(ガジュマルの一種)が遺跡を飲み込んでいる光景。
「人間と同じで植物も生きているんだよな」ということを改めて感じさせてくれ、熱帯植物の恐ろしいほどの生命力と破壊力を見せつけられます。
※なるべく遺跡発見当時の状態で公開するために、現在でも大規模な修復工事などは行われていません(遺跡としての状態を保つため、多少のメンテナンスはされているようです)。
その③:トゥームレイダーのロケ地として有名
これはかなり有名な話なのですが、タ・プローム遺跡は2001年に公開されたアンジェリーナ・ジョリー主演映画「トゥームレイダー」のロケ地となっています。
神秘的な雰囲気がトゥームレイダーと見事にマッチしており、他にも「インディ・ジョーンズ」や「ナショナル・トレジャー」などの冒険系・財宝系の映画で使われていてもおかしくなさそうでした。
撮影で使われた場所に看板などが立っているわけではないため自分で探さなければならないのですが、それも遺跡観光の楽しみの1つとするといいかもしれませんね。
ちなみに、アンジェリーナ・ジョリーは撮影期間中、シェムリアップのパブストリートにある「THE RED PIANO」というお店によく通っていたそうです。
実際にお店へ行ってみると、人気店なのか混雑していました。
屋台などに比べると料金は高いですが、料理も美味しく、メニューも充実していたので、興味のある方は寄ってみてくださいね。
タ・プローム遺跡の西塔門から入場
タ・プローム遺跡内へは東塔門と西塔門から出入りが可能となっており、4面の観世音菩薩の彫刻を見たいのであれば西塔門から入るようにしましょう(東塔門は彫刻が崩壊)。
アンコール・ワットとアンコール・トムから1番近い入り口が西塔門です。
左右を木々に囲まれた直線がしばらく続いた後、まず見えてくるのが西門ですね。
第一回廊の西側塔門
そして、西門を抜けた先にあるのが第一回廊の西側塔門。こちらは出口専用となっているため、今回は右側から遺跡をまわっていきます。
第一回廊の外壁では、仏教からヒンドゥー教に変わったことで削り取られた仏陀像の跡を確認することが可能。
また、この辺りから遺跡の崩壊も激しく、大きく成長した熱帯植物が遺跡を飲み込んでいるような光景を目にすることができますよ。
東南側にある第一回廊への入り口。
第一回廊内の柱に注目してみると、仏陀が描かれていることが分かりますね。
第一回廊の東側塔門
西側塔門から第一回廊に沿って歩いていくと、反対側の東側塔門に到着。
ここには、髪の長い女の子が瞑想の邪魔をしようとする阿修羅からお釈迦様を守ったという仏教の伝説、「髪の長い女の子」のレリーフがあります。
髪の長い女の子のレリーフはいくつかあるので、ぜひ探してみてください。
遺跡にのしかかる巨大な木も要チェック。
大蛇のように見える木とエコーの祠堂
第一回廊の東側塔門からルート通りに進んでいくと現れるのが、「大蛇のように見える木」。
下から機材で支えている光景がなんとも言えませんね。
さらに先へ進むと広い空間へと出ます。ここには、胸をたたくと音が反響する「エコーの祠堂」があります。
トゥームレイダーのシーンで使われた「血管のように絡まる木」
こちらが、アンジェリーナ・ジョリー主演の映画「トゥームレイダー」で使われたシーンの場所です。
写真の大きな木は、根っこの部分が血管のように細く広がっていることから「血管のように絡まる木」と呼ばれています。
世界的に有名な撮影ポイントなので、人が結構集まっていました。
さらに先へ進んでいくと、タ・プローム遺跡で最も有名なスポアンの木を見ることができます。
まるで巨大な木がイスに座っているようで迫力がありました。ただ、狭い場所にあるため写真が撮りにくかったです。
最も有名なスポアンの近くには、鋭い爪先を持った鳥の足のように見える「鳥の足状の木」もありますよ。
タ・プローム遺跡までの行き方
タ・プローム遺跡までの行き方は、以下の5つあります。
- トゥクトゥク
- バイタクシー
- タクシー(車)
- レンタサイクルorレンタルバイク
ただ、タ・プローム遺跡へ行く人の多くは「アンコール・ワット」や「アンコール・トム」なども一緒に見学しています。
いくつか遺跡を回るとなると移動距離も長くなるため、オススメの移動手段は「トゥクトゥクまたはタクシー(車)のチャーター」かなと。
あくまで目安ですが、トゥクトゥクなら約15ドル、タクシーなら約30ドルです。
料金を安く抑えたいのであればバイタクシーでもいいと思うのですが、安全面での不安があるので個人的には△ですね。
チャーター手配はホテルやゲストハウスで簡単にでき、ゲストハウスでは乗り合いバンの募集なども行われているので、他の観光客と一緒でも大丈夫という方はチェックしてみるといいかもしれません(ゲストハウスでの募集は学生が集まりやすいです)。
タ・プローム遺跡を観光する前に知っておくべきこと3つ
タ・プローム遺跡を観光する前に以下の3つは確認しておきましょう。
特に、アンコール・パスの購入し忘れには注意が必要です。
- 遺跡の見学にはアンコール・パスが必要
- 肌の露出が多い服装はNG
- ガイドブックの解説でも十分楽しめる
その①:遺跡の見学にはアンコール・パスが必要
アンコール遺跡群を見学するには、アンコール・パス(入場券)が必要となっており、入場券の購入でほとんどのアンコール遺跡群を見学することができます(一部遺跡は別途入場料が必要)。
シェムリアップに1つだけある、チケットセンターで入場券を購入することが可能。
チケットは、現金(ドル・リエル・タイバーツ・ユーロ)またはクレジットカード(VISA・MasterCard・JCB・Diners Club・UnionPay・Discover)に対応しています。また、購入時に本人確認書類などの提示は必要ありません。
チケットセンターの営業時間:5:00〜17:30(翌日のチケット購入は17:00〜)
アンコール・パスの料金は、以下の3種類に分かれています。
- 1日券:$37
- 3日券:$62
- 7日券:$72
11歳以下であれば無料で遺跡を見学することができますが、年齢が微妙な場合にはパスポートの提示を求められるので、念のため持参しておいたほうが良さそうですね。
入場券を購入せずに遺跡を見学すると、最大300ドルの罰金を徴収されてしまうので注意しましょう。
ただ、万が一入場券を買い忘れたままアンコール遺跡群に向かったとしても、基本的には各遺跡のチェックポイントで入場券の確認をされるため、そこまでビビる必要はありません。
その②:肌の露出が多い服装はNG
カンボジアの寺院を訪れる時は、肌の露出をなるべくしないのがマナーです。
特にアンコール・ワットは服装規定が厳しく、あまりにも露出の多い格好をしていると入場を拒否されてしまいます。
服装のOKラインは以下を参考にしてください。
- 男性:半袖&膝が隠れる長さの短パン
- 女性:半袖&長ズボン
アンコール遺跡群は、チェックポイントごとにアンコールパスの確認をされる遺跡がほとんどなので、アンコール・ワットに限らず服装には気をつけましょう。
なるべく涼しい格好をしたいのであれば、動きやすく通気性の良いアリババパンツを購入すると良いかなと。
土産店で簡単に手に入りますし、値段もリーズナブルなのでとってもオススメですよ。
ただし、耐久性があまり良くないため、何着か購入しておいたほうがいいです。
その③:ガイドブックの解説でも十分楽しめる
正直、アンコール遺跡群(アンコール・ワット、アンコール・トム、タ・プロームなど)に関しては市販のガイドブックを購入しておけば、充分遺跡巡りを楽しめるかなと思います。
というのも、どのガイドブックもアンコール遺跡群のことについては結構詳しく解説しているため、「遺跡の歴史や彫刻の意味をさらっと学べればいい」ということであれば、現地オプショナルツアーに予約する必要はないかなと。
一応、現地オプショナルツアーに予約するメリットを載せておくと、
- 日本語ガイドから詳しい解説を聞ける
- 自分でトゥクトゥクなどを手配する必要がない
- 人気遺跡を1日で一気にまわれるツアーもある
がありますね。
短期滞在でやりたいことが沢山ある方は、それぞれの遺跡の見どころを押さえつつ、1日で人気遺跡を3ヵ所ほどまわれるツアーを予約するのがいいかもしれません。
例えば、現地オプショナルツアー予約サイトのVELTRA(ベルトラ)では、「【貸切】アンコールワット3大遺跡(アンコール・ワット、アンコール・トム、タ・プローム)1日観光ツアー <昼食/日本語ガイド/朝日鑑賞オプション有>」などのツアーを取り扱っています。
まとめ:タ・プロームは自然の恐ろしさと美しさを知れる神秘的な遺跡
今回は、シェムリアップにあるタ・プローム遺跡をご紹介してきました。
なるべく遺跡発見当時の状態で公開するために大規模な修復工事などは行われていませんが、このまま熱帯植物が成長し続ければなんらかの対策が取られる可能性は高いです。
なので、迫力ある光景を目の前で見ることができるのは今だけかもしれませんね。
また、カンボジアの旅行シーズンと言われている11月〜1月頃は観光客も多くなります。撮影スポットの混雑などでスムーズに見学できないこともあるため、時間に余裕を持って見学するようにしましょう。
人混みを避けたいのであれば、観光客が比較的少ない午前中を狙うのもありかなと。
遺跡見学でかかった料金を以下にまとめたので、良かったら参考にどうぞ。
- アンコールパス(3日券):$62
- 朝食・昼食代:$15
- レンタルバイク:無料(カンボジア在住の方に借りました)
- ガソリン代:$10
興味のある方は、タ・プローム遺跡と同じく大規模な修復がされていないベン・メリア遺跡にも足を運んでみてください(アンコールパスとは別の入場券を購入する必要があります)。
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