沖縄の世界遺産である首里城の見どころを徹底解説!

首里城正殿

沖縄を代表する人気観光スポットの1つである「首里城」。

琉球王国最大の建造物であり、中国と日本の築城文化を融合した独特の建築様式や石組み技術が評価され、2000年に首里城跡が世界文化遺産に登録されています。

広大な敷地の首里城公園には、いくつもの立派な城門、東のアザナ・西のアザナ(城内・城外を見渡せる展望台的な場所)など、正殿以外にも見どころが多く十分楽しめるんです。

今回は沖縄県那覇市にある「首里城」をご紹介します。

2019年10月の正殿内部からの火災により、現在首里城は復元中です。

本記事に掲載している写真は火災以前のものとなるのでご注意ください。

まずは首里城の歴史から解説

首里城公園の全体マップ

首里城が創建されたのは14世紀末だと言われており、1429年(琉球王国成立)〜1879年(琉球王国崩壊)までの約450年間にわたり栄えました。

首里城は国王が居住する王宮であると同時に、政治・経済・文化の中心でもあったそうです。

2022年までに4度焼失しているため、創建当時の姿のまま残っているわけではありませんが、中国と日本の築城文化を融合した独特の建築様式や石組み技術が評価され、2000年に首里城跡が世界文化遺産に登録されています。

もっと詳しく首里城の歴史を知りたい方は、首里城公園の公式サイトでご覧いただけます。

広大な敷地の首里城公園には見どころがたくさん【入場料も解説】

首里城を訪れるまでは城だけがポツンと建っているんだと思っていましたが、実際に行ってみると「首里城公園」という広大な敷地の公園内に建っていました。

首里城公園は正殿以外にも、いくつもの立派な城門、東のアザナ・西のアザナ(城内・城外を見渡せる展望台的な場所)、首里杜館(レストラン・カフェ・お土産ショップ)など、見どころがたくさんあります。

首里城公園内に設置されてた園内マップが下記です。

引用:https://oki-park.jp/shurijo/guide/51

公園内は「無料エリア」と「有料エリア」に分かれており、正殿をみるためにはチケットが必要です。

  • 無料エリア:下記以外の場所
  • 有料エリア:奉神門、女官居室、世誇殿(よほこりでん)、首里城復興展示室、東のアザナ

チケットは奉神門近くの券売所(広福門)で購入できますが、『アソビュー!』または『じゃらん遊び・体験』のみでWEBチケットを購入することもでき、購入金額に応じてポイントを貯められるのでお得です。

  • アソビュー!:購入金額の2.5%
  • じゃらん遊び・体験:予約金額の2%(メインポイント1%+じゃらん限定ポイント1%)

当日券・WEBチケットどちらを購入しても料金は変わらないのですが、遊び予約サイトを活用したほうがポイント分お得になるのでおすすめ。

ゆいレールのフリー乗車券(1日券・2日券)を利用していた場合、券売所窓口にて団体料金でチケットを購入できます。

ただし、フリー乗車券の有効期限内で一人1回限りの適用となるので注意してください。

大人中人(高校生)小人(小・中学生)
一般(20名未満)400円300円160円
団体(20名以上)320円240円120円
年間パスポート800円600円320円
※6歳未満は無料

二千円札でおなじみの守礼門

守礼門

こちらは2000年の記念紙幣2,000円札の絵柄としておなじみの「守礼門」。

言われるまで2,000円札の絵柄だと気が付かなかったのですが、実際に近くでみるととても立派な門でした。

中国風の牌楼(ぱいろう)という形式で建立されているそうで、首里城公園の公式サイトには守礼門について下記のように解説されています。

「守礼(しゅれい)」とは「礼節を守る」という意味で、門に掲げられている扁額(へんがく)には「守礼之邦(しゅれいのくに)」と書かれている。「琉球は礼節を重んずる国である」という意味である。首里城は石垣と城門の多い城であるが、中でもデザイン上バランスがとれ、エレガントな雰囲気のある代表的な門がこの「守礼門」である。

1527~55年(第二尚氏4代目尚清王(しょうせいおう)代)にはじめて建立され、1933年(昭和8)に国宝に指定されたが沖縄戦で破壊された。現在の門は1958年(昭和33)に復元されたもので、その後今日まで沖縄を象徴する観光施設として利用されている。

引用:https://oki-park.jp/shurijo/guide/52

園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)

園比屋武御嶽石門

園比屋武御嶽石門」は国王が外出するときに安全祈願をした礼拝所であり、門のつくりをしていますが人が通る門ではないため、門が開くことはなかったそうです。

1519年に建てられましたが、沖縄戦で一部が破壊されてしまい1957年に復元されました。

現在は国指定重要文化財となっており、2000年には首里城跡とともに「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録もされました。

弁財天堂(べざいてんどう)

弁財天堂

朝鮮から贈られた方冊蔵経(ほうさつぞうきょう)を納めるために建立されたものの、1609年の薩摩侵入で破壊されてしまい1629年に修復されました。

修復時に円覚寺にあった航海安全を司る水の女神・弁財天の像を安置しましたが、荒廃したために1685年に薩摩から新像を移しました。

しかし沖縄戦で破壊されてしまい、再度1968年に復元されました。

円覚寺(えんかくじ)

円覚寺

1494年に創建された沖縄における臨済宗(りんざいしゅう)の総本山で、第二尚氏王統歴代国王の菩提寺。

寺は禅宗の「七堂伽藍(しちどうがらん)」の形式で建造され、境内には多くの建物が配置されていたそうです。

1933年に総門(そうもん)、山門(さんもん)、仏殿(ぶつでん)などが旧国宝に指定されましたが、すべて沖縄戦で破壊され、池にかかる放生橋は往時のもので国指定重要文化財です。

中に入ることはできないようですが、堀をぐるっと周ると石橋を遠くからみることは可能です。

首里杜館(すいむいかん)

首里杜館
首里杜館の中のようす

首里杜館」は、首里城公園のインフォメーションセンター・首里城について学べる情報展示室・レストラン・カフェ・お土産ショップなどが入っている施設です。

首里杜館前の広場

広大な敷地の首里城公園をまわって疲れたら、首里杜館にいき一休みしましょう。

首里杜館の外にある売店

ちなみに首里杜館の外でも沖縄ジェラート、フルーツアイスバー、アイスクリーム、洋服などを売っていました。

また首里杜館にはバス・乗用車を50台~116台ほど停められる地下駐車場があり、ここが満車の場合は近くの民間駐車場を利用することになります。

混雑する午前中は早い段階で満車になることも多いので注意してください。

首里杜館の開館時間:8時30分~18時00分

首里城正殿へ向かうまでに通る5つの門

広福門

首里城公園の全体マップをみてもらうと、首里城は「外郭(外側城郭)」と「内郭(内側城郭)」により二重に囲まれていることが分かります。

また、首里城の正殿周辺にはさまざまな門があり、その中でも城郭内へ入ってから正殿へ向かうまでに通る門は5つです。

  1. 歓会門(かんかいもん)
  2. 瑞泉門(ずいせんもん)
  3. 漏刻門(ろうこくもん)
  4. 広福門(こうふくもん)
  5. 奉神門(ほうしんもん)

それぞれ門の名前に込められた意味を知ることで、より首里城散策を楽しめるはずです。

ちなみに、上記の門を通らなくても首里杜館の近くにある木曳門(こびきもん)からも正殿へと向かえます

車椅子の方は階段のないこちらのルートから正殿まで向かいます。

歓会門(かんかいもん)

歓会門

首里城の城郭内へ入る第一の正門である「歓会門」は、首里城へと招かれた人々を歓迎するという意味を込めて名付けられたそうです。

別名「あまえ御門(あまえうじょう)」とも言うそうで、「あまえ」は琉球の古語で「喜ばしいこと」を意味するんだとか。

創建は1477年~1500年ごろで、沖縄戦で焼失したものの1974年に復元されました。

門の両側には魔除けのためのシーサーが置かれています。

瑞泉門(ずいせんもん)

瑞泉門

歓会門をくぐった先に見えてくる第二の門の「瑞泉門」

瑞泉(ずいせん)とは「立派な、めでたい泉」という意味らしく、門の手前右側にある湧水が「龍樋(りゅうひ)」と呼ばれていることから名付けられたそうです。

別名「ひかわ御門(うじょう)」とも言うそうで、「樋(ひ)」は川や泉から水を導く長い管や屋根の雨水を受けて地上に流す装置などのことを指し、沖縄で井戸や泉のことをすべて川と表現します。

創建は1470年頃ですが沖縄戦で焼失しており、1992年に復元されました。

龍樋

瑞泉門の手前右側にある「龍樋(りゅうひ)」は、写真のとおり龍の口から湧水が出ていることから名付けられており、ここから出ている湧水は王宮の飲料水として使われていたそうです。

意外と見逃してしまう場所にあるので、こちらも忘れずに見ておきましょう。

漏刻門(ろうこくもん)

漏刻門

こちらは第三の門である「漏刻門」です。

漏刻(ろうこく)とは中国語で「水時計」という意味で、門の上の櫓(やぐら)に水槽を設置して、水が漏れる量で時間を計っていたと言われることから名付けられました。

時刻測定後に役人がこの場所で太鼓を叩き、その音を聞いた別の役人が東のアザナ・西のアザナ・右掖門で同時に大鐘を鳴らし、城内と城外に時刻を知らせていたそうです。

別名「かご居せ御門(うじょう)」とも言うそうで、当時の身分の高い役人は駕籠(かご)にのって首里城へ向かっていたそうですが、そんな身分の高い役人も国王に敬意を表し、この場所で駕籠から下りていたんだとか。

日影台

漏刻門をくぐった先にある広場には、水時計の補助的な道具として使われていた「日影台(にちえいだい)」という日時計が置かれています。

広福門(こうふくもん)

広福門

漏刻門を潜ってすぐにみえるのが第四の門である「広福門」で、広福(こうふく)とは「福を行き渡らせる」という意味だそうです。

王朝時代には神社仏閣を管理する「寺社座(じしゃざ)」士族の財産をめぐる争いを調停する「大与座(おおくみざ)」という役所が置かれており、現在は有料エリアのチケットを販売する券売所などが入っています。

ここまで登ってくると眺めも良いので撮影スポットに最適だと思います。

奉神門(ほうしんもん)

奉神門

首里城正殿のある御庭(うなー)へ入る最後の門として建っているのが「奉神門」です。

別名「君誇御門(きみほこりうじょう)」とも言うそうで、向かって左側は「納殿(なでん)」で薬類・茶・煙草などの出納を取り扱う部屋、右側は「君誇(きみほこり)」で城内の儀式のときなどに使われていました。

写真から3つの門が確認できますが、中央の門は国王や中国からの冊封使などの限られた身分の人だけが通ることができ、それ以外の役人は両側の門から入場していました。

下之御庭

奉神門前の広場は「下之御庭(しちゃぬうなー)」と呼ばれ、沖縄の表現で「下の庭」という意味だそうです。

現在は城内でのイベントなどで利用していますが、当時は正殿前で行われるさまざまな儀式の控え場として利用されていました。

首里森御嶽

こちらは「首里森御嶽(すいむいうたき)」という礼拝所で、「琉球開闢(かいびゃく)神話」によれば神が造られた聖地であるとされています。

広福門の券売所

奉神門より先は有料エリアとなるため、券売所にてチケットを購入する必要があります(遊び予約サイトにて事前に購入してもOK)。

圧倒的スケールの首里城正殿

首里城正殿

琉球王国は中国・日本・東南アジアとの盛んな交流によって琉球独自の文化が生まれており、首里城もその影響を受けて中国と日本の文化が混合する琉球独特の城となっています。

正殿は琉球王国最大の木造建造物で、「国殿」や「百浦添御殿」と呼ばれていました。

首里城の南殿・番所

正殿を正面にみて右側が「南殿・番所」

首里城の北殿

左側が「北殿」で王府の行政施設として機能していたそう。

「正殿」「南殿・番所」「北殿」に囲まれた中庭広場の空間のことを御庭(うなー)と言い、御庭の中央である「浮道(うきみち)」も国王や冊封使などの限られた身分の人だけが通ることができたそうです。

現在ではなにも気にせず中央を歩けますが、往時はありえないことだったんです。

正殿以外で抑えておきたい見どころを紹介

久慶門(きゅうけいもん)

久慶門

久慶門」は主に女性が利用していたと言われている通用門です。

現在は出口専用になっていますが、往時は日常的に人々が出入りしていた門だそうです。

木曳門(こびきもん)

木曳門

木曳門」は、首里城の修復工事のときにのみ資材の搬入口として使用していた門です。

現在は車椅子用ルートとして整備されており、一般の方もこちらから奉神門まで向かうことができます。

西のアザナ(いりのあざな)

西のアザナ

木曳門(こびきもん)のすぐ近くにある「西のアザナ(いりのあざな)」は、標高約130mの城郭の西側に築かれた物見台です。

別名「島添(しまそえ)アザナ」とも言うそうで、当時はここに旗を立てて鐘を備えて時刻を報じたそうです。

西のアザナからの眺め

首里城周辺の街並みや那覇港のようすを展望することができるので、首里城公園を訪れたらついでに寄っておきたい場所です。

寄内ノ御嶽(よりうちのうたき)

寄内ノ御嶽

基本的に正殿見学後に立ち寄れるのが、信仰や祭祀の場所であった「寄内ノ御嶽」。

ガマ遺構1
ガマ遺構2

ここには「ウシヌジガマ」と呼ばれる人力で作られた洞窟状の遺構があり、首里王府の女官達が息抜きの場所として使われたという伝承があります

ちなみに有料エリアとなるので、ここを見学するにはチケットが必要となります。

淑順門(しゅくじゅんもん)

淑順門

淑順門」は、国王やその家族に仕える女官らが御内原へ入るときにくぐっていたと言われてる門です。

御内原とは国王・家族やそれらに仕える女官たちが生活する場所のことで、王家を除いて男性禁制となっていたそうです。

別名「みもの御門(うじょう)」「うなか御門(うじょう)」とも言われています。

まとめ

今回は、首里城公園の魅力をお伝えしてきました。

はじめは首里城だけがポツンと建っていると思っていたので、実際訪れてみて首里城公園の広大な敷地に驚きました。

正殿周辺には見どころがたくさんあり、猛暑の中やみくもに首里城公園内を散策するのは過酷なので、事前にみたいポイントを決めておくと良いでしょう。

また、ベテランガイドから解説を聞きながら首里城をまわりたい方は、『VELTRAicon』でオプショナルツアーを予約するのもおすすめ。充実したツアー内容でありながら、約1,000円(1人/60分)で予約できます。

また、個人で首里城をまわる方は『アソビュー!』または『じゃらん遊び・体験』でWEBチケットを購入するのがおすすめです

住所沖縄県那覇市首里金城町1-2
電話番号098-886 -2020
営業時間無料エリアは8:30~18:00
有料エリアは9:00~17:30(入場券販売は17時まで)
休業日7月の第1水曜日とその翌日
駐車場あり(50台~116台)
大型車970円・小型車320円
料金大人400円、高校生300円、小中学生160円
※6歳未満は無料
公式HP首里城公園