小豆島の「ヤマロク醤油」を紹介!テレビ番組で放送の木桶仕込み醤油!

私たちの生活に欠かせない調味料である醤油。毎日のように使っている調味料でありながらも、醤油について深く考えたことはあまりないのではないでしょうか。

醤油作りって知れば知るほど、とても奥が深いものなんですよ。

小豆島の醤油蔵であるヤマロク醤油さんは、「奇跡体験!アンビリバボー」や「月曜から夜ふかし」、「あさいち」など、数々のテレビ番組で紹介されてきました。

僕自身が知るきっかけとなったのは、アンビリバボーの再現ドラマ。ヤマロク醤油五代目山本康夫さんの木桶仕込み醤油への熱い思いや、後世にも木桶仕込み醤油を残していくために行動する姿に感動し、気がつけば醤油蔵を見るために小豆島へと向かっていたのでした。

ヤマロク醤油の場所


ヤマロク醤油さんは小豆島の南東側にあり、草壁港から車で約8分、坂手港から車で約12分の場所にあります。Googleマップなどで検索すれば出てくるので、迷うことはないかと。

周辺には見学できる醤油蔵がいくつかあるので、事前予約して一緒に見学してしまうといいかも。

ヤマロク醤油の歴史

正確な記録が残っていないため詳しくは分からないそうですが、創業は江戸時代の終わり頃~明治初めで創業約150年

もともとは醤油を搾る前のもろみを卸販売する「もろみ屋」だったそうですが、醤油を搾る圧搾機を導入して昭和24年に醤油屋になったそうです。

現在ヤマロク醤油は、五代目の山本康夫さんが受け継いでいます。

今では多くのメディアに取り上げられ有名な醤油屋さんとなりましたが、ここへたどり着くまでに山本さん自身とてつもない苦労をしています。

四代目のお父さんから言われた「醤油屋は儲からないから継がなくていい」という言葉。醤油を作るということは、中途半端な気持ちでは出来ないということに継いでからさらに気づかされるのでした。

危機的状況にある木桶仕込みの醤油

「醤油が危機的状況?」そう疑問に感じた方も多いかもしれません。どこにでも売っているはずの醤油が、危機的状況にあるわけがないと思うのが普通ですよね。

しかし、話を聞いてみると時代の変化とともに、醤油作りに関して深刻な問題が起きていることに気がつきました。これは醤油作りだけに言えることではなく、みりんや味噌などの発酵調味料全体に言えることなのです。

江戸時代まで「醤油」・「みりん」・「味噌」・「酢」・「酒」は、全て木桶にて醸造されていました。

時代の変化と共に木桶では手間がかかることや生産コストを抑えるために、木桶の代わりにタンクが使われることが多くなっていきます。現在では木桶での醸造が多く残っている醤油と味噌でさえ、木桶を使って醸造されているのは生産量の1%未満というのが現状なんだそう。

では、木桶仕込みの醤油とタンクで造る醤油は一体何が違うのでしょうか。

答えは微生物です。先ほど書いた調味料は微生物の発酵によって作られているのですが、美味しい発酵調味料を作るために働いてくれる微生物は、木桶には多く住みつくもののタンクにはほとんど住みつかないんだとか。

そのため古来から「木桶は最高の醸造容器」なんて言われているそうなんです。そのことからも、発酵食品を作るうえで木桶がどれほど重要な役割を担っているか理解していただけたかと思います。

木桶職人の減少が及ぼす発酵調味料の未来

人間と同じように木桶にも寿命があり、その寿命は約100年~150年と言われています。ヤマロク醤油さんで使われている木桶は、戦前に作られたものがほとんどだそうで、約50年後にはほぼ全ての木桶が使えなくなってしまうんだとか。

木桶が使えなくなるということは、新しい木桶を発注しなければならないということになりますが、木桶での醸造が減少しているのと同じく深刻な問題として挙げられていることの1つが、木桶を製造する桶屋&木桶職人の減少です。

木桶による醸造が減っていることから、木桶を作ってくれる桶屋さんの数もどんどん減っていき、現在醸造用の木桶を製造できるのは大阪にある「藤井製桶所」1社のみ。

日本にたった1社しかないんです。

これってとても深刻な問題だと思いませんか。

将来的に藤井製桶所が無くなってしまえば、桶を作ってくれる職人さんがいなくなり桶作りの技術がそこで途絶えてしまう。それは本物の発酵調味料。すなわち、木桶仕込みの醤油・みりん・味噌・酢・酒が消えてしまうことを意味します。

木桶職人復活プロジェクト

「この先の未来にも木桶仕込みの醤油を伝えていきたい!!」、「子や孫の代まで木桶仕込みの醤油を残したい!!」そう思った山本さんは驚くべき行動を起こします。

なんと小豆島の若大工2人と共に藤井製桶所へ弟子入りし、自ら発注した新桶3本を使って製作の全工程を教えてもらったそうです。

「危機感だけを感じているだけではその現状を変えることは出来ない」

醤油屋である山本さんが木桶作りを始めたのには、木桶による発酵文化や木桶仕込みの醤油を未来にも残していきたいと誰よりも強く思っていたからかもしれません。

いまの現状に対しての危機感や醤油に対しての愛情を強く持っていなければ、ここまで行動はできないと思いました。現在では毎年1月に全国からさまざまな蔵元が集まり、小豆島で新桶を製作しているそうです。

ヤマロク醤油のもろみ蔵見学体験

見学する際の注意点

もろみを育てる酵母菌や乳酸菌は納豆菌に弱いため、見学する前に納豆は食べないでください。

ヤマロク醤油さんでは、「天然もろみ蔵」の見学を無料で行っています。事前予約なども必要なく、見学時間は15~20分ほど。

もろみ蔵内の見学ができることもそうですが、これだけ近くで木桶を見ることができるのはとても貴重な体験だと思います!スタッフの方が説明をしながら案内をしてくれるので、醤油造りに関しての知識も学ぶことができるんです!

ヤマロク醤油さんのもろみ蔵は、100年以上前に建てられた蔵で国の登録有形文化財に指定されています。

木桶よりも梁や土壁、土間のほうが百種類という酵母菌や乳酸菌が暮らしているんだとか。多くの微生物たちが暮らしているもろみ蔵の中は、とても静かでどこか神聖でした。長い年月をかけて蔵に住み着いた微生物たちは、今日も美味しい醤油を作るために一生懸命働いています。

写真からも分かるようにもろみ樽はとても大きい。もろみ樽は三十二石の大杉樽を使用しているそうで、リットルで言うと約6000リットル。

高さが約2メートルの大杉樽は40樽、3分の2から半分の大きさの樽を28樽所有しています。

微生物がびっしり住みついたもろみ樽の側面。

とても失礼なのですが、初めてこれを見たとき「ほこり??」と思ってしまいました(笑)。実際まじかで見ると思わず声が出てしまうと思います。

蔵の中にある全てのもろみ樽が写真のようになっており、なんなら蔵中のいたる所に微生物が住み着いており満室状態。

ちょっと可愛いなって思ったのが、微生物って人間が見ていないと仕事サボるそうなんです(笑)

微生物も仕事するのめんどくさいんです。できれば仕事したくないんです。

もろみ樽を上から覗くこともでき、発酵によってぷくぷくと空気が出ているのが確認できます。撮影する際にはもろみ樽の中にカメラなどを落とさないように気をつけてください。

ヤマロク醤油で製造している「菊醤」と「鶴醤」

ヤマロク醤油さんで製造している醤油は2種類。

  • 菊醤(きくびしお)
  • 鶴醤(つるびしお)

あっさりとしたキレのある旨みが特徴の「菊醤(きくびしお)」に対して、2倍の原料と歳月をかけた深いコクとまろやかさが特徴の「鶴醤(つるびしお)」。

その他にも、うどん・蕎麦の出汁として最適な菊醤ベースのコク旨だし醤油である「菊つゆ」、天然醸造醤油にすだちとゆずの果汁を通常のぽん酢よりも多く使った「ちょっと贅沢なポン酢」なども販売。

気になるものがあれば味見もできちゃいます!

実際に味見してみると、普段使っている醤油のしょっぱさがなく、とてもまろやかな感じがしました。

ヤマロク茶屋

軒先スペースには、ヤマロク醤油さんで造っている醤油を使った料理やデザートが食べられる「ヤマロク茶屋」が併設されています。

人気メニューはこちらの醤油アイス!再仕込み醤油の鶴醤をバニラアイスの上にかけて食べるデザートです。

「アイスと醤油なんて合うわけないでしょ……」と思うかもしれませんが、実際に食べてみるとこれが結構美味しいんです!!

ただし、醤油のかけ過ぎには注意しましょう(笑)

アイスの上には、鶴醤の塩分を使って仕上げた香り高い上品な味の最高級丹波黒豆の甘煮が乗っています。ちなみにこの黒豆の甘煮も「丹波黒豆鶴煮」としてヤマロク醤油さんで売っているので良かったら購入してみてください。

ほとんどのメニューは、土日祝でないと注文できないのが残念でした……。アイス以外のメニューも食べてみたいという方は、土日祝を狙って行くのがいいかと!

ヤマロク茶屋の横には、番組の撮影やプライベートで訪れた有名人のサイン色紙が沢山展示されています!

ヤマロク醤油までのアクセス

車の場合

ナビで検索すると目的地までの道順は出てきます。もし出てこない場合は、Googleマップで検索してもらえれば確実に出てきます。

どの道から向かっても、途中狭い道を通ることになるため運転には注意してください。駐車スペースは4、5台分しか完備されていないので、繁忙期などはすぐ満車になってしまうかもしれません。

周辺にコインパーキングがないか調べてみましたが、なさそうな感じでした。繁忙期などに車で行くのはできるだけ控えた方が良さそうです。

オリーブバスの場合

安田上または安田停留所でバスを降り、そこから徒歩で向かうことになります。安田上からは徒歩約10分、安田からは約20分です。

バスは1時間に1~2本しか運行していないので、行き帰りの時間は必ずチェックしておきましょう。

【安田停留所→ヤマロク醤油】

安田停留所でバスを降りたら、百十四銀行方面へと進みます。

百十四銀行前の十字路を左に曲がり、大きなカーブに突き当たるまで直進します。

百十四銀行から10分ほど歩くとカーブに突き当たるので、直進せずカーブに沿って歩いてください。

安田大川を左に曲がり、川沿いをしばらく歩きます。安田上停留所は、ここを曲がらずにまっすぐ進むと見えてきます。

しばらく川沿いを歩くと写真のような案内板が目に入ると思うので、案内板に従って歩けばヤマロク醤油さんへたどり着けます。

さいごに

醤油屋である山本さんが木桶作りまで学んだように、何かを後世に残していくためには、自分の専門的なことだけを伝えていけば良いというわけではないのかもしれません。

周りで起きている深刻な問題に目を向け解決していくことで、初めてそれは後世へと伝わっていくのかもしれませんね!

藤井製桶所さんだけではなく、いまの日本では歴史ある伝統技術の後継者不足が深刻な問題となっています。伝統技術が受け継がれていかないということは、それだけ本物の何かが消えていくことを意味しています。

これらの問題を解決していくことは簡単なことではありませんが、子や孫さらにその先の未来まで伝統や文化を受け継いでいくために山本さんのように行動している人たちもいるということを皆さんにも知ってほしいなと思いました。

そして、1人でも多くの人がこの記事をきっかけに山本さんが手間暇かけて作った醤油を手にしてほしいです。