これからパスポートの作成を考えているけれど、「5年・10年どちらで申請すればいいのだろう…」「パスポートの発給手数料はどれくらい違うのかな…」と疑問を感じていませんか?
5年用・10年用どちらで申請するのが最適かは、人それぞれ異なるため一概には言えませんが、20歳以上の方であれば10年用で申請するのがおすすめです。
今回は、下記のような悩みを解決できる記事を用意しました。
- 5年用・10年用どちらで申請するのがおすすめ?
- パスポートの有効期間を決める際のポイントはある?
- パスポートを申請するときの注意点は?
この記事を読めば、パスポートの有効期間を5年・10年どちらで申請すべきか分かるようになります。
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一般渡航者向けのパスポートは5年用・10年用から選べる

一般渡航者が申請できるパスポート「一般旅券」には、5年用(紺色)・10年用(赤色)が用意されており、年齢によって選択できる有効期間が異なります。
申請日に20歳以上の方であれば5年用・10年用から選択できますが、申請日に20歳未満の方は5年用パスポートしか選択できません。
パスポート自体の効力はどちらも同じため、有効期間の長い10年のほうが海外で優遇されるということはなく、有効期間以外に発給手数料と査証欄のページ数が異なるだけです。
パスポートの有効期間を決めるときの3つのポイント

パスポートを5年・10年どちらで申請すべきか迷ったときは、下記3つのポイントを参考にしましょう。
- パスポートの発給手数料
- 海外へ行く機会が多いか
- 将来パスポートの記載事項を変更しそうか
それでは解説していきます。
ポイント1:パスポートの発給手数料
パスポートの新規発給申請・切替新規申請でかかる手数料を下記にまとめました。
切替新規申請とは、有効期間が近くなったパスポートを更新するための申請のことです(パスポート番号は新しくなるため切替と言います)。
パスポートの有効期間 | 都道府県手数料 | 収入印紙 | 合計 |
---|---|---|---|
10年間有効 | 2,000円 | 14,000円 | 16,000円 |
5年間有効(12歳以上) | 2,000円 | 9,000円 | 11,000円 |
5年間有効(12歳未満) | 2,000円 | 4,000円 | 6,000円 |
5年用(12歳以上)と10年用の手数料差は5,000円なので、なるべくパスポートの作成費用を抑えたいのであれば5年用がおすすめです。
5,000円多く出せば+5年追加できることを考えると10年用のほうがお得ですが、僕がはじめてパスポート申請した時は手数料の安さから5年用を選択しました。
発給手数料の内訳をみてみると、ほとんどは収入印紙(国の税金)が占めており、都道府県手数料は2,000円だけです。
なぜパスポートの取得費用が高いかは、東洋経済オンラインにて掲載されている「パスポートの取得費用が1万6千円かかるなぜ」という記事が参考になります。
ポイント2:海外へ行く機会が多いか
入国時・出国時に確認のスタンプを押したり、ビザを発給するのに使われるパスポートの査証欄。
この欄が一杯になるとパスポートは使えなくなってしまうため、かなり頻繁に海外へ行く方は注意が必要です。
5年用は28ページ、10年用は44ページの査証欄が設けられており、パスポート1冊につき1回のみ査証欄を40ページ増やせます。
【査証欄を増補した場合の1ページあたりのコスト】
- 5年用(68ページ):約199円
- 10年用(84ページ):約220円
査証欄を増補しても足りない可能性がある方は、1ページあたりのコストが安い5年用がおすすめです。
査証欄増補申請の手数料は、5年用・10年用ともに2,500円です。
ポイント3:将来パスポートの記載事項を変更しそうか
5年用または10年用のパスポートを取得しても、パスポートの記載事項(氏名・本籍・性別など)が変わった場合、そのままでは使えないため下記いずれかの手続きが必要になります。
- パスポートの切替申請をする(5年用:11,000円、10年用:16,000円)
- 記載事項変更旅券の発給申請をする(5年用・10年用:6,000円)
切替申請は、もともと持っていたパスポートの有効期間は引き継がれず、新しい有効期間のパスポートを取得することになります。
対して記載事項変更旅券の発給申請は、もともと持っていたパスポートの有効期間を引き継いだ、新しいパスポートを取得できます。
将来パスポートの記載事項を変更しそうなら、はじめから10年用で申請しておき、パスポートの記載事項が変わったら「記載事項変更旅券の発給申請」をしたほうが良いでしょう。
5年用だと記載事項の変更をしても、有効期間が短ければまたすぐ切替申請しなければならないため、無駄に手数料を支払うことになります。
【結論】パスポートの有効期間で迷ったら10年用がおすすめ

ここまでのポイントをまとめると、申請日に20歳以上の方であれば10年用を選択するのがおすすめです。
基本的に10年間パスポートが有効になるため、海外にあまり行かない方でも、長い目でみればメリットのほうが多いと思います。
最近ではパスポートの残存有効期間が6ヵ月以上ないと入国できない国も多く、5年用パスポートの場合だと実質4年半しか使えません。
思っているよりも早く切替申請の時期がくるので、パスポート申請と受領の手間を考えると、やはり有効期間の長い10年用パスポートがおすすめ。
ただ、手数料の安さを重視して5年用を選択するのも全然アリです。
パスポート申請時に覚えておきたい3つの注意点

ここからは、パスポート申請時に覚えておきたい3つの注意点を解説していきます。
- パスポートの申請〜受領まで1週間ほどかかる
- パスポートを受け取れるのは申請者本人のみ
- 未成年者は申請書に親権者または後見人の署名が必要
とくに海外渡航を控えている方は、パスポート受領までの日数には注意が必要なので、しっかり把握しておきましょう。
注意点1:パスポートの申請〜受領まで1週間ほどかかる
パスポートの申請〜受領までは1週間(土・日・祝・休日・年末年始を除く)ほどかかるため、海外渡航の予定がある方は早めに申請が必要です。
パスポートが間に合わなければ航空券などもキャンセルしなければならないので、同伴者にも迷惑をかけてしまいます。
海外で親族が災害に遭い急いで渡航しなければならないなどの特別な理由がある場合、都道府県によっては「緊急発給」や「早期発給」してくれるところもあります。
特別な理由でパスポートがすぐに必要な方は、各都道府県のパスポート電話案内センターに問い合わせてみてください。
パスポートの更新に関しては、「パスポートの更新はギリギリでも大丈夫?」の記事で詳しく解説しています。
注意点2:パスポートを受け取れるのは申請者本人のみ
パスポートを受け取れるのは申請者本人のみとなり、代理人が受け取ることはできません。
年齢に関係なく申請者本人のみしか受け取れないため、赤ん坊のパスポートを受領する際には一緒に連れて行く必要があります。
各都道府県によって申請・受領ができる曜日や時間は異なるので、申請窓口の受付時間をあらかじめ確認しておきましょう。
パスポートの受け取りは本人のみしかできませんが、パスポート作成時の申請書を代理人に提出してもらうことは可能です(代理人による提出ができない場合もあり)。
その際は代理人も本人確認書類が必要になるため、持参するようにしてください。
注意点3:未成年者は申請書に親権者または後見人の署名が必要
未成年者(婚姻している方は除く)がパスポートを申請する場合、申請書の「法定代理人署名」欄に親権者または後見人が署名する必要があります。
もしも親権者や後見人が遠方に住んでいることから署名が難しい方は、親権者または後見人の署名のある同意書を提出すれば大丈夫です。
パスポート申請のために必要書類を揃えて窓口に行っても、20歳未満の方は署名がなければ申請できないので注意してください。
まとめ:20歳以上なら10年用パスポートがおすすめ!
今回は、パスポートは5年・10年どちらで申請すればよいのかについて解説しました。
社会人になるとなかなか平日に時間が取れなかったりで、「やっぱり10年用に申請しておけば良かった」と感じることも多いため、20歳以上の方であれば10年用で申請するのが個人的にはおすすめです。
5年用と10年用では発給手数料に5,000円の差がありますが、パスポート申請&受取の手間などを考えると10年用のほうがお得です。
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