パスポートは5年・10年どちらで申請すべき?申請での注意点も解説

パスポート申請は5年・10年どちらですべき?

日本政府が発行する世界で通用する身分証明書であるパスポート。

一般渡航者が申請できるパスポートには5年用・10年用の2種類あるため、「5年・10年どちらで申請しよう…」「発給手数料に違いはあるのかな…」と悩んでいる方も多いはずです。

そこで今回は、パスポートの有効期限を決める際のポイントを解説します。

これからパスポートの申請を考えている方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

※本記事は令和5年3月27日以降に施行される改正旅券法に合わせて執筆しています。

18歳未満と18歳以上のパスポート申請の条件を比較

日本には5種類のパスポートがありますが、その中でも一般渡航者が申請できるのは、「一般旅券5年用(紺色)」と「一般旅券10年用(赤色)」の2種類です。

申請日に18歳以上の方であれば5年用・10年用から選択でき、申請日に18歳未満の方は5年用しか選択できません

パスポートの効力はどちらも同じなので、有効期限の長い10年用の方が現地で特典などを受けられるという事はないです。

ただし、10年用は有効期限が長いため査証欄のページ数が多く、発給手数料も高いといった特徴があります。

パスポートの有効期限を決める3つのポイント

パスポートを5年・10年どちらで申請するか迷ったときは、下記3つのポイントを参考にしましょう。

  • パスポートの発給手数料
  • 海外へ渡航する頻度
  • 将来パスポートの記載事項を変更しそうか

それぞれ解説していきます。

1:パスポートの発給手数料

パスポートの発給手数料は5年用・10年用で異なり、なるべく初期費用を抑えたい方は5年用がオススメ

僕がはじめてパスポート申請した際も、発給手数料の安さから5年用を選択しましたが、5,000円多く支払えば+5年できると考えると10年用のほうがお得です。

パスポートの新規申請・切替申請でかかる手数料を下記にまとめました。

切替申請は有効期限が近くなったパスポートを更新する申請のことです(パスポート番号が新しくなるため切替と言います)。

パスポート申請の種類都道府県収入証紙収入印紙合計
10年間有効2,000円14,000円16,000円
5年間有効(12歳以上)2,000円9,000円11,000円
5年間有効(12歳未満)2,000円4,000円6,000円

2:海外へ渡航する頻度

出国・入国時に確認のスタンプを押したり、ビザ発給で使用されるパスポートの査証欄。

査証欄に余白がなくなるとパスポートは使えなくなるため、頻繁に海外へ渡航する方は査証欄の多い10年用がオススメ

5年用は29ページ、10年用は45ページの査証欄が設けられており、余白がなくなった場合には「残存有効期間同一旅券」または「新たにパスポートを作る(切替申請)」での申請となります。

以前は有料でパスポート1冊につき1回のみ査証欄を40ページ増やせましたが、旅券法の改正に伴い査証欄の増補は廃止されているので注意してください。

3:将来パスポートの記載事項を変更しそうか

切替申請と記載事項変更旅券申請の比較図
5年用パスポートで切替申請・記載事項変更旅券申請した場合

パスポート取得後に記載事項(氏名・本籍・性別など)が変わった場合、下記いずれかの手続きが必要になります。

  • パスポートの切替申請をする
  • →5年用:11,000円(12歳未満は6,000円)、10年用:16,000円
  • 記載事項変更旅券の申請をする
  • →5年用・10年用:6,000円

切替申請は、元々持っているパスポートの有効期限は引き継がずに、新しい有効期限のパスポートを取得します。

対して記載事項変更旅券の申請は、元々持っているパスポートの有効期限を引き継いで、新しいパスポートを取得します。

将来パスポートの記載事項を変更しそうなら10年用で申請しておき、記載事項が変わった時点で「記載事項変更旅券の申請」をするのがオススメ

5年用の場合は記載事項変更旅券の申請をしても、残りの有効期限が短ければすぐに切替申請しなければならず、無駄に手数料を支払うことになります。

≫ 氏名・本籍等に変更があった場合|東京都生活文化スポーツ局

【結論】18歳以上なら10年用パスポートでの申請がおすすめ

ここまでのポイントをまとめると、申請日に18歳以上なら10年用パスポートでの申請がおすすめです。

ほとんどの国では入国時に必要な残存有効期間を設定しているので、最低でも6ヵ月以上は残存有効期間に余裕を持っておきたいところ。

5年用パスポートは初期費用を抑えることができますが、国ごとに必要な残存有効期間を考慮すると実質4年半ほどしか使うことができないため、思っている以上に更新時期が早くきます。

個人的にはパスポートの申請・更新の手間を考えると、やはり18歳以上なら10年用での申請がオススメですが、発給手数料の安さを重視して5年用を選択するのも全然アリだと思います。

パスポート申請で押さえておきたい3つの注意点

パスポート申請をする際には、下記3つのポイントに注意しましょう。

  • パスポートの申請~受領まで1週間ほどかかる
  • パスポートを受領できるのは本人のみ
  • 未成年者は法定代理人の署名が必要

それでは順番に解説していきます。

1:パスポートの申請~受領まで1週間ほどかかる

パスポートの申請~受領までは1週間(土・日・祝・振替休日・年末年始を除く)ほどかかるため、海外渡航の予定がある方はなるべく早めに申請しましょう。

パスポートが間に合わなければ海外へ行くことはできませんし、航空券やホテルなどもキャンセルしなければならず、同伴者に迷惑をかけることになります。

ただし、親族が災害に遭い至急渡航しなければならないなどの特別な理由がある場合、「緊急発給」や「早期発給」に対応している都道府県もあります。

詳しくは各都道府県のパスポート電話案内センターに問い合わせてみてください。

2:パスポートを受領できるのは本人のみ

なりすましによる不正取得を防ぐため、パスポート受領は本人(パスポートの名義人)のみと決まっており、どのような理由があろうと代理人が受領することはできません。

年齢関係なく本人のみしか受領できなので、たとえ赤ん坊のパスポートであったとしても一緒に連れていく必要があります。

パスポートは発行日から6ヵ月以内に受領しないと失効してしまうので十分注意しましょう。

3:未成年者は法定代理人の署名が必要

パスポート申請日に満18歳未満の未成年者(婚姻している方は除く)の方は、一般旅券発給申請書裏面の「法定代理人署名」欄に署名が必要となります。

もしも法定代理人が遠方に住んでいることから署名が難しい場合、パスポートセンターや各都道府県の公式HPで入手できる「旅券申請同意書」を提出すれば大丈夫です。

未成年者の場合は必要書類を揃えても、法定代理人の署名や旅券申請同意書を提出しなければ、パスポート申請はできないので注意しましょう。

まとめ

今回は、パスポートは5年用・10年用どちらで申請すべきか、パスポート申請で押さえておきたいポイントについて解説しました。

一般渡航者が申請できるパスポートは、申請日に18歳以上の方であれば5年用・10年用から選択でき、申請日に18歳未満の方は5年用しか選択できません。

社会人になると平日に時間を取るのが難しくなる場合もあるので、18歳以上の方であれば10年用で申請するのがオススメ。

5年用に比べ10年用は発給手数料が5,000円高くなるものの、パスポート申請&受取の手間を考えると10年用で申請した方がおトクです。

初めてパスポート申請する方は、「はじめてのパスポート申請完全ガイド」の記事も参考にしてください。