日本政府が発行する世界で通用する身分証明書であるパスポート。
海外旅行では必ず必要なものですが、はじめてパスポート申請する際は「パスポート申請の手順を知りたい…」「必要書類はなんだろう…」といった悩みも多いはずです。
そこで今回は、パスポート申請~受領までの流れや必要書類など、初めてのパスポート申請で押さえておくべきポイントをまとめました。
これからパスポート申請をする方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
- パスポート申請の必要書類を揃える
- 各都道府県のパスポート申請窓口を調べる
- パスポート申請窓口で申請書を提出+旅券引換証を受取る
- 交付予定日にパスポートを受領する
※本記事は令和5年3月27日以降に施行される改正旅券法に合わせて執筆しています。
なぜ海外渡航でパスポートが必要なの?

パスポートは、海外で国籍や身分を証明できる世界で通用する唯一の公的な身分証明書で、必要がある時には渡航者の保護・扶助を各国政府に要請する重要な公文書でもあります。
日本で生活している分にはあまり使う機会がないものの、海外では空港での出入国審査やホテルでのチェックイン時など、さまざまな所でパスポートの提示を求められます。
パスポートを持っていなければ他国へ入国できず、海外から日本へ入国することもできないため、海外渡航では必ずパスポートが必要です。
補足:日本のパスポートは全部で5種類

日本のパスポートは全部で5種類あり、一般渡航者が申請できるのは「一般旅券5年用(紺色)」と「一般旅券10年用(赤色)」の2種類です。
申請日に18歳以上の方であれば5年用・10年用から選択でき、申請日に18歳未満の方は5年用しか選択できません。
それ以外の旅券は、国会議員や皇族が公務で渡航する場合に発給されるものや、在外公館で特別な理由があるときに即時発行されるパスポートとなります。
STEP1:パスポート申請の必要書類を揃える【基本的に4点】

まずはパスポート申請の際に必要となる書類から準備していきましょう。
初めてパスポート申請する際には、下記4点の書類が必要となります。
- 一般旅券発給申請書:1通
- 戸籍謄本:1通
- 本人確認書類:1点または2点
- パスポート用の写真:1枚
基本的には上記4点を揃えれば大丈夫ですが、代理申請する場合には「代理人自身の本人確認書」、住民基本台帳ネットワークシステムの利用を希望しない・居所申請(住民登録していない都道府県で申請)の場合には「住民票の写し」など、状況によって必要書類が増えることもあるので注意してください。
一般旅券発給申請書:1通
一般旅券発給申請書は、「5年パスポート用」と「10年パスポート用」の2種類用意されており、申請日に18歳以上の方であれば5年用・10年用から選択でき、申請日に18歳未満の方は5年用しか選択できません。
申請書は「パスポート申請窓口」または「外務省公式HPからダウンロード」で入手可能で、申請時間を少しでも短くしたい方はダウンロード申請書がオススメ。
Web入力にも対応しているため、ネットで必要事項を入力してダウンロードすれば、当日は申請書を提出するだけなので便利です。
ただし、電子申請ではないのでパスポート申請窓口には行かなければならない点に注意してください。
戸籍謄本:1通
パスポート申請には、戸籍に記載されてる全員の身分事項を証明する「戸籍謄本」も必要となります。
本籍地のある市区町村役場での交付以外にも、郵送交付やコンビニ交付(自治体が対応している場合のみ)など、さまざまな方法で取得可能です。
なお、戸籍謄本は申請日前6ヵ月以内に作成されたものでなければ受け付けてもらえないので注意しましょう。
取得方法は市区町村によって異なるので、詳細は本籍地のある市区町村役場に問い合わせるか、公式HPをチェックしてみてください。
- 本籍地のある市区町村役場での交付
- 郵送での交付請求&受け取り
- コンビニ等での証明書自動交付サービスを利用
本人確認書類:1点または2点
本人確認書類は1点だけの提示でOKなものと、2点提示しなければならないものがあり、どちらもコピーしたものではなく原本を提示する必要があります。
⇩【1点で良い書類】⇩
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- 船員手帳
- 宅地建物取引士証など
⇩【2点必要な書類(Aから2点またはAとBから1点ずつ提示)】⇩
- 書類A:健康保険被保険者証、国民健康保険被保険者証、国民年金手帳、厚生年金保険年金証書など
- 書類B:学生証、会社等の身分証明書、公の機関が発行した資格証明書(いずれも写真付のもの)など
マイナンバーカードを提示する場合、通知カード(柔らかい紙のカード)では本人確認書類と認められないため注意してください。
パスポート用の写真:1枚

パスポート用写真の規格は、国際民間航空機関(ICAO)の勧告に基づいて定められており、写真サイズや顔の向き・表情、背景、影、撮影品質など、細かくルールが決まっています。
規格に合っていない場合は撮り直しを求められるため、基本的には写真証明機の利用やプロに写真撮影を依頼するのがおすすめ。
パスポートセンターによって異なりますが、申請窓口の周辺で有料の撮影サービスを行っている所もあるので、そういったサービスを活用するのも良いでしょう。
パスポート用写真は申請日前6ヵ月以内に撮影されたものを用意し、写真は担当者が貼り付けする場合もあるため、切らずに窓口へ持参してください。
STEP2:住民登録している都道府県のパスポート申請窓口を調べる

パスポート申請に必要な書類を全て揃えたら、住民登録している都道府県のパスポート申請窓口を調べましょう。
「都道府県 パスポートセンター」でネット検索していただければ、最寄りのパスポート申請窓口を簡単に見つけられます。
基本的にパスポート申請は住民登録している都道府県でする必要がありますが、単身赴任者・学生・外国からの一時帰国者など、住民登録している都道府県とは違う所に一時的に居住している場合、住民登録していない都道府県で居所申請をすることができます。
なお、居所申請の場合は申請者によって必要書類が異なるため、各都道府県の公式HPをご覧ください。
STEP3:パスポート申請窓口で申請書を提出する

ダウンロード申請書を持参していない方は、パスポートセンターに置いてある「一般旅券発給申請書(5年用または10年用)」に必要事項を記入します。

申請書の近くには記入例や案内が置かれているため、初めてでも問題なく記入できます。申請書記入後の流れとしては下記です。
- 申請窓口で必要書類を提出する
- 申請受付整理券を受け取り呼ばれるまで待つ
- 旅券引換証を受け取り終了
旅券引換証はパスポート受領のときに必要となるので、大切に保管しておきましょう。

また、手数料はパスポート受領時に支払うため、この時点では気にしなくて大丈夫です。
STEP4:交付予定日にパスポートを受領する

旅券引換証に記載されている交付予定日になったら、申請書を提出した窓口にパスポートを受け取りに行きましょう。
原則、申請したパスポートセンターでの受け取りとなり、例えば新宿パスポートセンターで申請書を提出した場合、パスポート受領も新宿パスポートセンターとなります。
パスポート受領時には、「旅券引換券」と「手数料」の2点が必要です(念のため本人確認書類も持参すると安心)。
- 「収入印紙」と「県収入証紙」を購入(手数料の支払い)
- 旅券引換証を窓口に提出する
- パスポート内容を確認して受け取る
ざっくり上記のような流れで進み、旅券引換証に「収入印紙」と「県収入証紙」を貼付することで、手数料を支払った証明となります(現金払いとしている都道府県もあり)。
収入印紙・県収入証紙は、パスポートセンターのあるビル内の売店や自動販売機で取り扱っていることが多いものの、紛失しても再発行などはしてもらえないので、なるべくパスポート受領当日に購入するのがオススメ。
パスポート申請の種類 | 都道府県収入証紙 | 収入印紙 | 合計 |
---|---|---|---|
10年間有効 | 2,000円 | 14,000円 | 16,000円 |
5年間有効(12歳以上) | 2,000円 | 9,000円 | 11,000円 |
5年間有効(12歳未満) | 2,000円 | 4,000円 | 6,000円 |
パスポート申請で注意したい3つのポイント

パスポート申請をする際には、下記3つのポイントに注意しましょう。
- パスポートの申請~受領まで1週間ほどかかる
- パスポートを受領できるのは本人のみ
- 未成年者は法定代理人の署名が必要
それでは1つ1つ解説していきます。
1:パスポートの申請~受領まで1週間ほどかかる
パスポートの申請~受領までは1週間(土・日・祝・振替休日・年末年始を除く)ほどかかるため、海外渡航の予定がある方はなるべく早めに申請しましょう。
パスポートが間に合わなければ海外へ行くことはできませんし、航空券やホテルなどもキャンセルしなければならず、同伴者に迷惑をかけることになります。
ただし、親族が災害に遭い至急渡航しなければならないなどの特別な理由がある場合、「緊急発給」や「早期発給」に対応している都道府県もあります。
詳しくは各都道府県のパスポート電話案内センターに問い合わせてみてください。
2:パスポートを受領できるのは本人のみ
なりすましによる不正取得を防ぐため、パスポート受領は本人(パスポートの名義人)のみと決まっており、どのような理由があろうと代理人が受領することはできません。
年齢関係なく本人のみしか受領できなので、たとえ赤ん坊のパスポートであったとしても一緒に連れていく必要があります。
パスポートは発行日から6ヵ月以内に受領しないと失効してしまうので十分注意しましょう。
3:未成年者は法定代理人の署名が必要
パスポート申請日に満18歳未満の未成年者(婚姻している方は除く)の方は、一般旅券発給申請書裏面の「法定代理人署名」欄に署名が必要となります。
もしも法定代理人が遠方に住んでいることから署名が難しい場合、パスポートセンターや各都道府県の公式HPで入手できる「旅券申請同意書」を提出すれば大丈夫です。
未成年者の場合は必要書類を揃えても、法定代理人の署名や旅券申請同意書を提出しなければ、パスポート申請はできないので注意しましょう。
パスポート申請に関してのよくある質問【Q&A】

最後に、パスポート申請で押さえておくべき知識やよくある質問をまとめました。
- パスポート申請はインターネットでできる?
- パスポート申請は代理人を通して行える?
- 未成年者の場合は法定代理人の付き添いが必要?
- 手数料の支払方法にはどんなものがある?
- パスポートセンターが混雑する月・時間帯はいつ?
- パスポート申請はインターネットでできる?
- インターネットで申請することはできません。
現在パスポート申請はネットからできず、各都道府県のパスポートセンターまたは一部市町村の申請窓口でのみ可能です。
- パスポート申請は代理人を通して行える?
- 申請のみは代理人を通じて行えます。
パスポート申請は代理人(親族・知人など)を通じてすることができますが、パスポート受領は本人のみしかできません。また、代理人による申請が認められない場合もあります。
- 未成年者の場合は法定代理人の付き添いが必要?
- 法定代理人が付き添わなくても申請できます。
未成年者だとしても法定代理人の付き添いは必要ありませんが、一般旅券発給申請書裏面の「法定代理人署名」欄に署名または「旅券申請同意書」の提出が必要となります(婚姻している方は除く)。
- 手数料の支払方法にはどんなものがある?
- 支払方法は現金のみです。
- パスポートセンターが混雑する月・時間帯はいつ?
- 基本的にGWや年末年始などの長期休暇前後は混雑します。
午後になるにつれて混雑してくる場合が多いので、朝一で申請しに行くのがオススメです。
まとめ:海外渡航の予定があるならパスポートは早めに申請しよう!
今回は初めてパスポート申請する方に向けて、申請手順や必要書類などを解説してきました。
海外渡航では年齢に関わらずパスポートが1人1冊必要となるため、たとえ赤ん坊だとしてもパスポートを作る必要があります。
パスポートの申請~受領まで1週間ほどかかるため、海外渡航の予定がある方は早めに申請しておきましょう。
なお、パスポート申請前には申請予定の都道府県公式HPを必ずチェックするようにしてください。