上記の悩みを解決し、この記事の手順通りに進めていけば、時間を無駄にすることなくパスポートを作れます。
ボクは初めてのパスポート申請でつまづき、海外渡航に間に合わなくなりそうになった経験があります。
その時の経験をもとに、はじめてでも分かりやすいパスポート申請の手順をまとめたので、これから申請を考えている方はぜひ参考にしてください。
まずは「パスポートについての基礎知識や申請~受領の流れ」を解説し、後半では「パスポートの申請で注意したいポイント」を解説します。

申請手順までジャンプしたい方は、「オンライン申請(マイナカード必須)」または「各都道府県の申請窓口で申請」をクリックしてね
パスポートは世界で通用する唯一の公的な身分証明書

パスポートは、海外で国籍や身分を証明できる世界で通用する唯一の公的な身分証明書で、必要がある時には渡航者の保護・扶助を各国政府に要請する重要な公文書でもあります。
日本での日常生活ではあまり使う機会がないものの、海外では空港での出入国審査やホテルでのチェックイン時など、さまざまな場面でパスポートの提示を求められます。
パスポートを持っていなければ他国へ入国できず、海外から日本へ入国することもできないため、海外渡航でパスポートは必須です。
日本のパスポートは5種類ある

日本のパスポートは全5種類あり、一般渡航者が申請できるのは「一般旅券5年用(紺色)」と「一般旅券10年用(赤色)」です。
申請日に18歳以上なら5年用・10年用から選択でき、申請日に18歳未満なら5年用しか選択できません。
それ以外の旅券は、国会議員や皇族が公務で渡航する場合に発給されるものや、在外公館で特別な理由があるときに即時発行されるパスポートです。

パスポートの有効期間(5年・10年)で迷った方は、「パスポートは5年・10年どちらで申請すべき?3分でわかる最適な有効期間の決め方」が参考になるよ
パスポートの申請方法は「オンライン申請」と「各都道府県の申請窓口で申請」の2通り
パスポートの申請方法は「オンライン申請(マイナンバーカード必須)」と「各都道府県の申請窓口での申請」の2通りです。
- オンライン申請のメリット
→窓口に出向くのがパスポート受領時の1回のみ、戸籍謄本の原本の提出不要、窓口申請より手数料が割安 - 各都道府県のパスポート申請窓口のメリット
→マイナンバーカード不要、インターネットが苦手でもOK
マイナンバーカード必須となりますが、個人的にはメリットの多いオンライン申請をおすすめしています。
マイナンバーカードを持っていない方は、この機会に作成するのもアリかと。
なお、オンライン申請と各都道府県の申請窓口どちらで申請するかによって必要なものは異なるので注意してください。
オンライン申請の手順(マイナンバーカード必須)

2025年3月から全都道府県においてオンラインでのパスポートの新規申請ができるようになりました。
「なんだか難しそう…」と感じている方に向けて、オンライン申請の手順を簡単にまとめました。
- マイナポータルアプリでログイン(ログイン後→パスポート申請を選択)
- 「顔写真」と「自署」の撮影、「申請者情報」の入力
- 申請データの送信
- 交付予定日になったら受取窓口に出向きパスポートの受領
マイナポータルにログインして「パスポート(旅券)申請」を選択すれば、あとは画面の案内にしたがって操作や入力をすれば申請が完了します。
窓口に出向くのもパスポート受取時の1回のみなので、なかなか時間を確保できない方も申請しやすくなりました。
なお、オンライン申請で必要となるものは下記です。
- マイナンバーカード(署名用電子証明書用パスワードが必要)
- マイナポータルアプリ
- マイナポータルアプリ対応のスマホ
- 顔写真(あらかじめ顔写真を撮影しておきたい方)
顔写真はマイナポータルアプリのカメラ機能を使い撮影できますが、証明写真機等での撮影データをあらかじめ端末に保存しておけば、申請時に端末からアップロードもできます。
オンライン申請は窓口申請より都道府県手数料が400円安くなっており、クレジットカードでの支払いも可能です。
| パスポートの有効期間 | 都道府県手数料 | 収入印紙 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 10年間有効 | 1,900円 | 14,000円 | 15,900円 |
| 5年間有効(12歳以上) | 1,900円 | 9,000円 | 10,900円 |
| 5年間有効(12歳未満) | 1,900円 | 4,000円 | 5,900円 |

旅券発行後6ヵ月以内にパスポートを受領せずに失効させ、5年以内に再度申請した場合、上記手数料より高くなるので注意してね
各都道府県のパスポート申請窓口での手順

各都道府県のパスポート申請窓口での手順をまとめました。
オンライン申請より手間はかかりますが、マイナンバーカードを持っていない方やインターネットが苦手な方は窓口で申請しましょう。
STEP1:パスポート申請の必要書類を揃える【基本4点】
まずはパスポートの申請で必要となる書類から準備しましょう。
- 一般旅券発給申請書:1通
- 戸籍謄本原本(全部事項証明書):1通
- 顔写真(縦45mm×横35mm):1葉
- 本人確認書類:1点または2点
基本的に上記4点を揃えればOKですが、代理申請は「代理人自身の本人確認書」、住民基本台帳ネットワークシステムの利用をしない方・居所申請(住民登録していない都道府県で申請)は「住民票の写し」など、個別事情によっては追加書類が必要となるケースもあるので注意しましょう。

不安な方は各都道府県のパスポート申請窓口に問い合わせてみてね
一般旅券発給申請書:1通
一般旅券発給申請書は「5年パスポート用」と「10年パスポート用」の2種類あり、申請日に18歳以上の方であれば5年用・10年用から選択でき、申請日に18歳未満の方は5年用しか選択できません。
申請書は「各都道府県に設けられているパスポート申請窓口」または「外務省公式HP(ダウンロード申請書)」で入手でき、申請時間を短くしたい方はダウンロード申請書がおすすめ(当日は事前記入した申請書を提出するだけ)。
なお、ダウンロード申請書はオンライン申請ではないため、申請時に窓口に出向く必要があります。
戸籍謄本原本:1通
戸籍に記載されている全員の身分事項を証明する「戸籍謄本原本」も必要となります。
本籍地のある市区町村役場での交付以外にも、郵送交付やコンビニ交付などの取得方法にも対応しています(市区町村によって異なる)。
なお、戸籍謄本は申請日前6ヵ月以内に作成されたもの以外は受け付けてもらえないので注意しましょう。
- 本籍地のある市区町村役場での交付
- 郵送での交付請求&受け取り
- コンビニ等での証明書自動交付サービスを利用
本人確認書類:1点または2点
本人確認書類は1点だけの提示でOKなものと、2点提示しなければならないものがあり、どちらもコピーしたものではなく原本を提示します。
マイナンバーカードを提示する場合、通知カード(柔らかい紙のカード)では本人確認書類と認められないので注意してください。
パスポート用の写真:1葉

パスポート用写真の規格は、国際民間航空機関(ICAO)の勧告に基づいて定められており、写真サイズや顔の向き・表情、背景、撮影品質など、細かくルールが決められています。
自分で撮影した写真でもOKですが、規格に合っていないと撮り直しを求められるため、証明写真機の利用やプロカメラマンに撮影を依頼しましょう。
パスポート申請窓口によっては周辺で有料撮影サービスを行っているところもあるので、そういったサービスを活用するのもおすすめ。
パスポート用写真は申請日前6ヵ月以内に撮影されたものを用意し、写真は担当者が貼り付けてくれるので切らずに窓口へ持参してください。
STEP2:住民登録している都道府県のパスポート申請窓口を調べる

パスポートの申請に必要な書類を全て揃えたら、住民登録している都道府県のパスポート申請窓口を調べましょう。
「お住まいの都道府県 パスポート申請窓口」でネット検索していただければ、最寄りの申請窓口がみつかります。
ちなみに単身赴任者・学生・外国からの一時帰国者など、住民登録している都道府県とは違うところに一時的に居住している場合、住民登録していない都道府県で申請可能(居所申請)。
ただし、居所申請は申請者によって必要書類が異なるため、申請前に各都道府県の公式HPを必ずチェックしてください。
STEP3:パスポート申請窓口で申請書を提出する
ダウンロード申請書を持参していない方は、各都道府県のパスポート申請窓口に置かれている「一般旅券発給申請書(5年用または10年用)」に必要事項を記入します。

申請書の近くに記入例が置いてあるので、はじめてでも問題なく記入できるはずです。
分からない項目があれば係の人に聞きましょう。申請書記入後の流れとしては下記です。
- 申請窓口で「申請書」「戸籍謄本原本」「パスポート用写真」「本人確認書」を提出する
- 申請受付整理券を受け取り呼ばれるまで待つ
- 旅券引換証を受け取って終了

旅券引換証はパスポートの受領で必要となるので大切に保管しておきましょう。
また、手数料はパスポートの受領時に支払うため、この時点では気にしなくて大丈夫です。
STEP4:交付予定日にパスポートを受領する

旅券引換証に記載されている交付予定日になったら、申請書を提出した申請窓口でパスポートを受領できます。
原則、申請したパスポート申請窓口での受領となり、たとえば新宿パスポートセンターで申請書を提出したら、パスポートの受領も新宿パスポートセンターです。
パスポートの受領時には「旅券引換券」と「手数料」の2点が必要で、ざっくり下記の流れで進みます(念のため本人確認書類も持参すると安心)。
- 手数料の支払い(支払方法は都道府県により異なる)
- 旅券引換証を窓口に提出する
- パスポート内容を確認して受領する
手数料の支払方法は都道府県によって異なり、たとえば東京都は県収入証紙のみ「収入印紙・東京都手数料取扱窓口(旅券受領窓口の近く)」で現金で支払います。
基本、旅券引換証に「収入印紙(国に収める手数料)」と「県収入証紙(都道府県に収める手数料)」を貼り付けることで、手数料を支払った証明とする都道府県が多いです。
収入印紙・県収入証紙は、申請窓口にある販売所で購入できるケースが多いものの、紛失しても再発行はしてもらえないので、なるべくパスポート受領の当日に購入しましょう。
| パスポートの有効期間 | 都道府県手数料 | 収入印紙 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 10年間有効 | 2,300円 | 14,000円 | 16,300円 |
| 5年間有効(12歳以上) | 2,300円 | 9,000円 | 11,300円 |
| 5年間有効(12歳未満) | 2,300円 | 4,000円 | 6,300円 |

旅券発行後6ヵ月以内にパスポートを受領せずに失効させ、5年以内に再度申請した場合、上記手数料より高くなるので注意してね
パスポート申請で注意したい3つのポイント

これからパスポートの申請をする方は、下記3つのポイントに注意しましょう。
- パスポート申請〜受領まで1週間ほどかかる
- パスポートを受領できるのは本人のみ
- 未成年者は法定代理人の署名が必要
重要なのはトラブルに見舞われても焦らず対処できるように、パスポートが必要になった時点で早めに申請しておくことです。
それでは順番に解説していきます。
1.パスポート申請から受領まで2週間程度かかる
オンライン申請・窓口申請ともにパスポートの申請~受領まで2週間程度(土・日・祝・振替休日・年末年始を除く)かかるため、海外渡航の予定がある方はなるべく早めに申請しましょう。
パスポートがなければ出入国することはできませんし、航空券やホテルなどもキャンセルしなければならず、同伴者がいる場合は非常に迷惑をかけます。
ただし、親族が災害に遭い至急渡航しなければならないなどの特別な理由がある場合、「緊急発給」や「早期発給」に対応している都道府県もあります。
詳しくは各都道府県に設けられているパスポート申請窓口に問い合わせてみてください。

以前より受取日数が延びたのはパスポートのセキュリティ強化のため、国立印刷局でしか作成しなくなったからなんだ
2.パスポートを受領できるのは本人のみ

なりすましによる不正取得を防ぐため、パスポート受領は本人(パスポートの名義人)のみと決まっており、どのような理由でも代理人による受領は認められていません。
年齢関係なく本人のみしか受領できないので、たとえ赤ん坊のパスポートであっても一緒に連れていく必要があります。
パスポートは発行日から6ヵ月以内に受領しないと失効し、失効後5年以内に再度申請する場合、申請手数料が通常より高くなるので十分注意しましょう。
3.未成年者は法定代理人の署名が必要
パスポート申請日に18歳未満の未成年者(婚姻している方は除く)は、オンライン申請・窓口申請ともに法定代理人(親権者)の同意が必要です。
- オンライン申請
→法定代理人がマイナポータルの代理人サービスを利用して代理提出により申請
※15歳から18歳未満なら本人によるオンライン申請も可能。その場合は「法定代理人(親権者)の同意書」の提出が必要 - 窓口申請
→一般旅券発給申請書裏面の「法定代理人署名」欄に署名が必要
窓口申請の場合で法定代理人が遠方に住んでいることから署名が難しい場合、パスポート申請窓口や各都道府県の公式HPで配布されている「旅券申請同意書」を提出すれば大丈夫です。
パスポート申請に関してのよくある質問【Q&A】

最後に、パスポートの申請で押さえておくべき知識やよくある質問をまとめました。
- パスポートの有効期間は5年・10年どっちがオススメ?
- パスポートの申請は海外渡航のどれくらい前からすべき?
- パスポートの申請は代理人を通して行える?
- 家族で申請する場合、戸籍謄本は人数分必要?
- パスポート用写真は自分のスマホで撮影したものでも大丈夫?
- 未成年者の場合は法定代理人の付き添いが必要?
- 手数料の支払方法にはどんなものがある?
- パスポート申請窓口が混雑する月・時間帯はいつ?
- パスポートの有効期間は5年・10年どっちがオススメ?
- 申請者によって最適なパスポートの有効期間は異なります。
詳しくは「パスポートは5年用・10年用どちらで申請すべき?」の記事をご覧ください。
- パスポートの申請は海外渡航のどれくらい前からすべき?
- 海外渡航の2~3ヵ月前の申請をおすすめします。
渡航先国でビザが必要な場合、ビザ申請にはパスポートが必要になりますし、不測の事態に備えて早めの申請がおすすめです。詳しくは「ビザ(査証)の基礎知識まとめ」の記事をご覧ください。
- パスポートの申請は代理人を通してできる?
- 申請のみ代理人を通じて行えます。
パスポートの申請は代理人を通じてできますが、パスポートの受領は本人のみしか認められていません。代理人による申請が認められない場合もあるので、詳しくは申請先都道府県の公式HPをご覧ください。
- 家族で申請する場合、戸籍謄本原本は人数分必要?
- 家族で同時に申請する場合は、戸籍謄本を1通だけ用意すれば大丈夫です。同時に申請しない場合はそれぞれ戸籍謄本を用意しなければなりません。
- パスポート用写真は自分のスマホで撮影しても大丈夫?
- パスポート用写真の規格に当てはまっていれば大丈夫です。
デジカメやスマホなどで撮影した写真でもOKですが、5年または10年写真は変えられないので、なるべく証明写真機の利用やプロに撮影を依頼することをおすすめします。
- 未成年者の場合は法定代理人の付き添いが必要?
- 法定代理人が付き添わなくても申請できます。
未成年者でも法定代理人の付き添いなしで申請できますが、法定代理人の同意が証明できる署名や書類が必要となります(婚姻している方は除く)。
- 手数料の支払方法にはどんなものがある?
- オンライン申請の場合は「現金払い」「クレジットカード払い」から選べます。各都道府県の申請窓口での支払いは「現金払い」のみです。
- パスポート申請窓口が混雑する月・時間帯はいつ?
- 基本的にGWや年末年始などの長期休暇前後は混雑します。
午後になるにつれて混雑するケースが多いので、朝一で申請するのがオススメです。
まとめ:海外渡航が決まったら早めにパスポートの申請をしよう!
本記事では、はじめてのパスポート申請をスムーズに進めるための基礎知識、パスポートの申請で注意すべきポイントを紹介しました。
最後にもう一度、「オンライン申請」と「各都道府県のパスポート申請窓口での申請」の流れをおさらいしましょう。
- マイナポータルアプリでログイン(ログイン後→パスポート申請を選択)
- 「顔写真」と「自署」の撮影、「申請者情報」の入力
- 申請データの送信
- 交付予定日になったら受取窓口に出向きパスポートの受領
とくにオンライン申請は、「窓口に出向くのがパスポート受領時の1回のみ」「戸籍謄本原本の提出不要」「窓口申請より手数料が割安」のメリットがあるため、マイナンバーカードを持っているならぜひ利用したいところです。
海外渡航では年齢に関わらず1人1冊パスポートが必要となり、パスポートの申請〜受領まで2週間程度かかります。
繰り返しになりますが、不測の事態がおきても余裕をもって対処できるように、海外渡航の予定がある方はなるべく早めにパスポートの申請をしましょう。

